念願の

しゅ〜くりぃ〜む〜(アニメの赤毛のアン風に)

ガトー風月というお店のシュークリームです。
買い出しで天神に出て、お店の前を通る度に、
おいしそうに、もこもこと並んでいる、このシュークリームを眺めつつ
「これから沢山画材とか本とか買うし、
またここに戻って買う程の気力も体力もない…
でもいつか食べたい、あのシュークリームっ」
と思っていました。
やっと、食べれました。
美味しかったです。ああ、またいつか食べたい。
…これだから、毎日ビリーの腹筋やってもおなかが……


最近、買い出しに出ると、ちょっと寂しい思いをします。
いつも必ず立ち寄る本屋さんがあります。
その本屋さんは、地元でもいち早くコミックに力を入れてくれた
地元のオタクの聖地みたいな本屋さんです。
まだ新書判のコミックスが300円前後だった時代。
コミックス自体、大きな書店でも隅っこにちょこっと
並んでいるようなそんな時代に
お店の半分を占め、ずらっと並ぶコミック、膨大な既刊在庫、
しかも全てビニールにつめてあったのです。
衝撃でした。
どんなにマイナーな漫画でも新刊はどっさり積んであって
近所では売り切れた人気の新刊の数々も、
ここにいけば、積んでありました。
出版社や発売日があやふやでも、店員さんに尋ねると即答。
漫画読みにはとても頼りになる本屋さんです。
私が別の書店のコミック担当になった時は、
当時のコミック担当さん達と情報交換をしたり
問屋さんで人気作の確保に共同戦線をはったり
色々とお世話になったこともあります。
今はもう、知り合いの店員さん達はいませんが
買い出しに出かけると、買うものがなくても
寄らないと落ち着かない、そんな愛着のある
本屋さんです。
wingsのコミックスも、連載中のものはきっちり
揃えてくれています。
新刊も沢山入荷します。


しかし。


GW過ぎた頃からぱったり、棚から高橋の本が姿を消しました。
連載中の「冥のほとり」が。一冊も。
最初は、売れたんだ、わーいと呑気に喜んでましたが
一ヶ月たっても夏休みになっても、半年たっても
住宅街の書店にも置いてある7巻ですら補充されず、
wings連載中の作品で、冥だけありません。
元書店員として冷静に分析することにしました。
品揃えがウリのこのお店で
全巻品切れのまま補充しなくなる理由…。


「完結した」作品は常備から外す。


スペースには限界がありますからね。
毎日毎月新刊がドカドカはいってきますし。
完結して、今後新刊のでない漫画は
ヒット作でも、アニメ化とかドラマ化とかしない限り、
最終巻が出た後は一定期間過ぎたらサクっと作品ごと撤去。
これ常識です。
………


終わってませんから!
雑誌の連載は終わったけど(でも今出てる本にはまだ載ってる)
コミックスはあと2冊でますから!


8巻の発注はもう済んでると思うので、
「なんだ、この漫画終わってなかったんかい」と
気付いて、ついでに既刊を発注してくれて、
来月には、8巻とともに全巻が揃っているといいなあと願っています。
本屋さんも、まさか、作家本人が毎月棚の前で
うなだれてるなんてね、夢にも思わんでしょうなー。
あははうふふ…ふう…
うなだれて、帰ろうとして、ふと思いました。
「そうだ、今こそあのシュークリームを…」(お店は隣のビル)


念願のシュークリームで幸せになった頭で
あの本屋さんのコミック担当さんが
「追加さっさと入れやがれコンチクショー」
と問屋さんや新書館に電話をかけまくるくらい売れる
そんな次回作を、現在考え中デス。